永田屋のDX戦略で葬祭業界の未来を切り開く
1.永田屋が取り組むDX戦略とは
永田屋は、葬儀業界における革新を目指し、
DXを積極的に推進しています。
「お客様」「社員」「社会」の三方良しを理念に掲げ、業界が直面する課題に対応しながら、サービスの質をさらに向上させることを目指しています。日本社会では、少子高齢化が進行し、2025年から 2040年にかけて高齢者人口が微増した後、減少に転じると予測されています。一方で、生産年齢人口は一貫して減少が続いており、厚生労働省のデータからもその傾向が示されています。このような環境下で、葬儀に対する需要が高まる中、業務の効率化と生産性の向上が企業にとって重要な課題となっています。 永田屋は、これらの課題に対応するためにDXを活用し、業務の効率化と同時に、お客様一人ひとりに寄り添う温かみのあるサービスを提供できる体制を整えています。DXは、葬儀業界の未来を切り拓くための鍵であり、永田屋の持続的な成長と社会への貢献を支える基盤です。
2.DX戦略の3つの柱
2-1.ライフエンディング事業の
拡大に向けた事業戦略
永田屋では、葬儀サービスの質を向上させ、より多くのお客様に寄り添うための施策を推進しています。その中核をなすのが、顧客管理システム(CRM)の導入です。葬儀業界では、お客様の詳細情報が担当者に集中することが一般的であり、この属人化により「担当者以外はわからない」といった課題が生じることがありました。これを解決するため、弊社では業界に先駆けてCRMを導入しました。お客様一人ひとりの情報をデータベース化することで、社員全員が迅速に情報を共有し、適切なサービスを提供できる体制を整備しました。さらに、CRMの活用により、業績データやお客様からのフィードバックがリアルタイムで経営陣に届くようになり、即時的な経営判断が可能となりました。この仕組みによって、迅速な意思決定とサービスの質の向上を両立しています。DXを基盤としたこれらの取り組みにより、弊社の基本方針である「もうひとりの家族のような温かみのあるおもてなし」を実現し、お客様が安心して葬儀を任せられる体制を構築しています。
2-2.人事戦略–DXを通じた人材育成と生産性向上
を目指し、DXを基盤とした人事戦略を推進しています。
創業から100年以上にわたり蓄積された歴史とノウハウを活用しながら、現場での業務効率を高め、より高度なサービスの提供を可能にしています。
●社員のデジタルリテラシー向上
永田屋では、入社初日からデジタルツールを活用できる教育体制を整備し、新入社員がスムーズに業務を開始できるよう支援しています。全社員がDXを推進するためのスキルを習得し、生産性を向上させることで、効率的かつ質の高いサービス提供を実現しています。
●従業員とお客様の声の共有
お客様や従業員からのフィードバックを積極的に収集し、社内全体で共有する仕組みを構築しています。この取り組みにより、従業員のWell-Beingを促進し、より良い職場環境の形成に努めています。フィードバックをもとに業務改善を行い、サービスの質向上にもつなげています。
●早期採用の実現
DXを活用した採用プロセスを導入し、優秀な人材を迅速に確保する体制を整えています。この仕組みは、永田屋の成長を支える次世代のリーダーを育成する基盤となっています。
2-3.DX推進のための体制と組織整備
永田屋では、DX推進を強力にサポートするための体制を整え、組織全体でDX戦略を推進しています。DX専門の新部門設立や、部署を超えた委員会制度を導入することで、効果的かつ持続的なDXの推進を実現しています。
●DX推進室
代表取締役の指導のもと、新たに設立されたDX推進室は、DX推進を専門業務とする部門として、業務効率化や新技術導入をリードしています。また、DX推進委員会の中核を担い、委員会の運営を支援しています。
●DX推進委員会
各部署から選出されたメンバーで構成されるDX推進委員会は、横断的にDX戦略を推進する役割を果たしています。現場からの提案をもとに業務改善を図り、全社員を対象としたデジタル技術活用の研修を実施することで、DXに必要な知識とスキルの向上を支援しています。 さらに、同委員会は他の委員会(お客様満足度向上委員会、採用委員会など)とも連携し、それぞれの目標達成に貢献することが特徴です。
●お客様満足度向上委員会
サービスの質を向上させるためのアイデアを収集し、実行するお客様満足度向上委員会は、お客様からのフィードバックを反映し、より高い満足度を実現する葬儀サービスを提供しています。DX推進委員会と連携することで、デジタル技術を活用したお客様満足度向上の取り組みを進めています。
※2024年度上半期実績:アンケート回答率80%、お客様満足度96%
●採用委員会
永田屋では、優秀な人材を早期に採用するため、部署を超えた採用活動を行っています。採用活動においてもDXを積極的に活用し、デジタルツールの導入、学生情報の効率的な管理、AIを活用した選考プロセスの最適化を実現しました。この取り組みにより、DXが採用活動にも大きな効果をもたらしています。
3.DX戦略の環境整備
永田屋では、クラウドツールやデジタル端末の導入を通じて、
業務の効率化と情報共有を促進し、DX 推進の基盤を整えています。
●クラウドツールの導入
Google Workspace、LINEworks、Hitolink、カイクラ、Zoomなどのクラウドツールを活用し、社内外での迅速かつ円滑なコミュニケーションとデータ共有を実現しています。 特に、Kintoneを基盤としたシステムを導入することで、お客様情報の一元管理を実現し、リアルタイムでのデータ分析が可能となりました。これにより、サービスの質をさらに向上させることができています。 また、AIを活用した業務効率化にも取り組み、定型業務の自動化を推進しています。
●デジタル端末の配布
全社員にAndroid端末を支給し、外出先でも業務を円滑に進められる環境を整備しています。さらに、社内には十分な台数のPCを配備し、快適で効率的な業務遂行をサポートしています。
4.DXの成果と達成指標
永田屋のDX戦略では、具体的な目標を設定し、その進捗を定量的に測定することで成果を可視化しています。
●公式アプリのダウンロード数
地域密着型サービスを強化するため、スマートフォン向けアプリのダウンロード数を重要な指標としています。アプリを通じてお客様とのつながりを深め、よりきめ細やかなサポートを提供しています。
●GPTWランキング25位以内
永田屋は、従業員の働きやすさとやりがいを高めることで、GPTW(Great Place to Work)日本における「働きがいのある会社」ランキングで上位 25 位以内を目指しています。この取り組みにより、従業員のモチベーションと生産性を向上させ、企業全体の持続的な成長に繋げています。
●お客様満足度の向上
お客様満足度の向上を目指し、「アンケート回答率 80%」「お客様満足度 97%」を目標に掲げています。オーダーメイドの『世界にたった一つのお葬式』を提供することで、お客様の期待を超えるサービスを実現しています。
※2024 年度上半期実績:アンケート回答率 80%、お客様満足96%
代表メッセージ
日本一のライフエンディンググループを目指して
日本社会は少子高齢化が急速に進展し、大きな転換期を迎えています。高齢者人口の増加に伴い、葬儀への需要は今後も増加すると予測される一方で、労働力不足という深刻な課題にも直面しています。このような複雑な社会環境の中で、永田屋は「お客様」「社員」「社会」の三方良しを掲げ、伝統を守りながらも未来に向けた挑戦を続けています。
私たちのビジョンは「2045年までに日本一のライフエンディンググループを築く」ことです。この目標を達成するために、DX(デジタルトランスフォーメーション)を積極的に推進し、業務の効率化とサービスの質の向上を両立させています。
デジタル化が遅れていると言われる葬祭業界において、いち早くDXに取り組んだ弊社では、特に従業員の育成に注力し、デジタルリテラシーの向上を重要課題として長年推進してまいりました。その結果、全社員がDX推進に貢献できる体制を整え、現場での迅速かつ高品質な対応を可能にしています。この取り組みにより、永田屋の基本方針である「もうひとりの家族のような温かみのあるおもてなし」を、確実にお客様に提供しています。
今後も、葬儀を通じて人の役に立ち、地域社会に貢献すること、そして共に働く従業員が物心ともに豊かで幸せになり、安心して将来を託せる企業であり続けるという経営理念を大切にしながら、葬祭業界全体の成長を牽引し、日本社会の一部として次世代に向けたさらなる発展を目指し続けます。